目次
はじめに
東邦高校の優勝で幕を閉じた選抜高等学校野球大会(センバツ)ですが、毎年注目されるのが21世紀枠で出場した高校です。
ただ、選ばれる基準や戦績から賛否が上がることも多いです。そこで今回は21世紀枠が本当に必要か?どうかについて考えてみました。(2019年4月時点)
選考基準
21世紀枠が設けられたのは文字どおり2001年からで、選考基準は
- 秋季都道府県大会16強以上(加盟校が129校以上の都道府県はベスト32以上)が必須で
- 「少数部員、施設面のハンディ、自然災害など困難な環境の克服した」
- 「学業と部活動の両立」
- 「近年の試合成績が良好ながら、強豪校に惜敗するなどして甲子園出場機会に恵まれていない」
- 「創意工夫した練習で成果を上げている」
- 「校内、地域での活動が他の生徒や他校、地域に好影響を与えている。」
等の推薦理由があります。
上記の条件が必要で、まずは各都道府県の高野連が推薦校1校を選び、そこから各9地区(北海道・東北・関東・北信越・東海・近畿・中国・四国・九州)の代表を1校決めます。
そして各地区代表9校を3校に絞り込んで、東日本・西日本に分けて各1校ずつを選び、最後にその他1校を加えた計3校が出場権を獲得するという流れになっています。
戦績
これまで出場した51高校で最高はベスト4の2001年宜野座と2009年の利府で、初戦敗退が38校、2回戦止まりが10校、3回戦止まりが1校となってます。残念ながら本予選を勝ち上がってきた高校とはかなり力の差があると言わざるをえません。
高校野球はあくまでも教育の場である
上記戦績のようにたとえ出場してもすぐ敗退してしまうことが批判される原因の一部であると考えられます。しかし高校野球はあくまで部活であり、常に勝利が求められるプロとは違います。
日本学生野球憲章には
「国民が等しく教育を受ける権利をもつことは憲法が保障するところであり、学生野球は、この権利を実現すべき学校教育の一環として位置づけられる。この意味で、学生野球は経済的な対価を求めず、心と身体を鍛える場である。」
「学生野球は、各校がそれぞれの教育理念に立って行う教育活動の一環として展開されることを基礎として、他校との試合や大会への参加等の交流を通じて、一層普遍的な教育的意味をもつものとなる。学生野球は、地域的組織および全国規模の組織を結成して、このような交流の枠組みを作り上げてきた。」
とあり建前上は教育と交流の場であるとなっています。
選考基準があいまい?
上記選考基準のうち必須条件は秋季都道府県大会16強以上(加盟校が129校以上の都道府県はベスト32以上)のみで残りは選考委員の判断に委ねられます。つまり、基準があいまいで野球と関係がない部分で評価されてしまう可能性があります。この部分も批判の対象になっているように感じます。
まとめ
基準を見る限り、「そこそこ強くて野球以外の部分でも頑張っている高校を甲子園に出してあげよう」という考えが読み取れます。それ自体は理解できるのですが、明確な基準が存在しないので私情をはさむ余地があり、その部分がより怪しさと釈然としない物を感じさせているように思えます。
あくまでも野球を頑張ってきた生徒や学校が正しく報われる形で甲子園に出場できる基準でなくてはいけませんが、高校野球も教育の一環であると考え、明確で誰もが納得する基準を用意できるのであれば、21世紀枠を設けることは必要でしょう。