目次
はじめに
2005年に育成選手制度が導入され、早くも14年が経ちました。数多くの選手が指名されほとんどの選手は支配下登録すらされずユニフォームを脱いで去りますが、中にはホークスの千賀滉大投手や引退したジャイアンツの山口鉄也投手のように侍ジャパンに選出されるような選手も出てきています。
お馴染みとなった育成制度ですが、制度の趣旨から外れた使い方も多く起こっています。今回は問題点と課題について考えたいと思います。
育成制度の意義
現在、プロ野球の支配下選手登録の枠は70人でここに属している選手は1軍の登録枠に入り試合に出場することが出来ます。
70人という枠は狭き門である程度早い段階で1軍の戦力になることが求められます。その為能力の平均値が高く弱点が少ないある程度まとまった選手がドラフトで指名され、大きな弱点のある選手は避けられる傾向にありました。
そこで登場したのが育成枠制度で、大きな欠点があり粗削りですぐには戦力にならないが、何か光るものがある選手をプロの環境で育てたらどうなるか? というのが育成制度の意義であると考えられます。
良い例がホークスの千賀滉大投手で、高校時代は全くの無名選手で愛知県のスポーツ用品店の店長が知り合いのスカウトに薦めたという話は有名です。かつては130km/h代だったストレートもいまや160km/hを超え日本を代表する投手に成長しました。
問題点
支配下選手を落とせる
実績のある選手が大きなケガをしてしばらくプレーできなくなった場合、支配下選手を育成枠に落とすことが出来ることを利用し、 枠をあけて年俸を安く抑えるために育成枠に落とすことがあります。
例えば、ジャイアンツの脇谷亮太選手が 右ひじの靱帯再建手術を受ける為、育成選手として再契約したことがありました。脇谷選手は当時30歳で前年は規定打席にも到達した実績のある選手です。そのような選手に育成という名前がふさわしいとは感じません。
年齢制限がない
年齢制限がない為、どんなベテラン選手とも契約できてしまいます。
例として藤田宗一選手が挙げられます。藤田選手はロッテ、ジャイアンツで活躍した名リリーバーで連続リリーフ登板が512試合連続というパリーグ新記録を達成した選手ですが、2010年にジャイアンツを戦力外になった後、ホークスと育成契約を結びました。当時藤田選手は38歳で、解雇された選手をとりあえず使えるか試すために育成制度を利用したと考えられます。
解決案
年齢制限を設ける
上記のような問題点を解決するためには年齢制限を設けることが必要だと考えます。例えばドラフトやトライアウトで獲得した時点での年齢を25歳以下として、さらに登録中に年齢の上限に達したら解雇か支配下登録させるようにすべきだと考えます。
名称を変える
むしろ現状の制度の内容であるならば、育成制度という名がふさわしくないように感じます。ですのでMLBのDL制度のように内容にあった名前に変えたほうが良いかもしれません。